【陣】
「―――へえ―――」

眼下に広がる光を見て、陣は不敵な笑みを浮かべる。

それは勝ちの見えた“ゲーム”に紛れた、退屈しのぎに
足り得る乱入者の登場に対しての、喜びの表情だった。

【陣】
「まさか、 『最終戦争』 ( ラグナロク) に選ばれた運命の12人以外に
  “神の器”が現れるなんてね……」

自らの魔力を遥かに上回る一撃を眺めながら、陣はその
“予想外”(イレギュラー)の存在に感心する。

陣が“神の器”と称しているのは、ただの『召喚せし者』 (マホウツカイ)
などではなく、異端とされる彼らの中でもさらに“特別”
である存在の事を示す。

世界に十数人しか存在しないはずの一人がこの場に現れた
というのは、まさに奇跡の如き偶然だった。

【陣】
「いや、あるいは“運命”―――かな?」

【陣】
「さしずめ彼は、この『最終戦争』 (ラグナロク)の始まりを告げる
 ―――『No.13』――― (ミッシングナンバー・サーティーン)ロキ、ってところか」

まるで神話の再現かのように戦争の狼煙 (のろし)を上げた反逆者 (ロキ)
存在を称賛し、陣は眩く輝く桜色の光を眺める。

その表情は、この膨大なる魔力の奔流を見てなお揺るぐ
ことは無く、絶対の自信に満ち溢れていた。

【剣悟】
「―――なんや、どえらいモンが出て来たやんけ」

【鋼】
「あんなの、ただのド派手な花火じゃねーか。俺様が直接
  ぶっつぶしてやるよ」

【陣】
「――――――」

背後からする自らの仲間の言葉に、陣はしばし思考を
巡らせる。

たしかに自分の相手にはならないが、彼ら程度ならば
十二分に喰われる可能性のある脅威 (てき)だ。

この優位な状況は変わらないが、ここは万全を期すために
もう少し、準備期間が必要だろう。