【剣悟】
「ヒュー、やるやんけ。ワイの『戦略破壊魔術兵器』(マホウ)が
　あっさりと壊されてしもうたわ」

【紗雪】
「……嘘。手ごたえが無さすぎる」

そう告げながら、紗雪は警戒を解くことなく黒き銃(アルキメデス)を
霧崎の元へ向けて突き付ける。

【紗雪】
「―――そもそも『戦略破壊魔術兵器』(マホウ)を破壊されて
　平気なはずない」

【剣悟】
「困ったお嬢ちゃんやなぁ……ワイは本当のことしか
　言うてへんで？」

【紗雪】
「え―――？」

【霧崎】
「―――『魔術兵装』(ゲート・オープン)―――！」

【紗雪】
「な―――！？」

【零二】
「大量の……ナイフ！？」

霧崎がそう口にした瞬間、彼の腕やその周囲へと螺旋を
描くように、大量のナイフが具現化される……！

【剣悟】
「こいつがワイの獲物……“ストリームフィールド”って
　言うんや。よろしゅうな」

【剣悟】
「まあ、ワイの『戦略破壊魔術兵器』(マホウ)は大した能力(チカラ)も
　 持ってへんし、耐久力はさっき見ての通りや。ほぼ
　 普通のナイフと大差あらへん」

【剣悟】
「ま、もちろん『戦略破壊魔術兵器』(マホウ)やから、ただの
　武器や近代兵器の攻撃なんかでは傷つかへんけどな。
　せやかて、『召喚せし者』(マホウツカイ)相手ではイチコロや」

【剣悟】
「ただ、一芸に秀でててな。何せ、全部で６６６本まで
　同時に具現化出来るんよ。言うて見れば、この獲物は
　６６６本で１つの武器なんや」

【紗雪】
「……まさか―――！」

【剣悟】
「そう。つまりコイツは、同時に全て破壊されない限り
　完全な消滅はしないっちゅーこっちゃ。数十個程度は
　壊されても、大したダメージにはならへん」

【剣悟】
「とはいえ、これだけあると流石にワイも手に余る。
　―――せやから、こうして扱うんや！」

【剣悟】
「『踊り狂う悪魔』 (エイレナイオス) ――――――ッ！！！！」

【サクラ】
「！！」

瞬間、白銀の 兇刃(きょうじん)がまるで意思を持つかのようにサクラへ
向けて、流星の如く降りかかる―――！