【紅葉】
「くそっ……化け物め……これなら、どうだぁっ!!」
単発攻撃では敵わないと悟っていた紅葉は、牽制の合間に
紗雪の死角へと移動させていた、二つの
背後から放ち―――
【紅葉】
「
同時に、紗雪の前方から渾身にて神速の一撃を放つ!!
【紅葉】
「
正面から放つ閃光をかわせるのならば、加えて左右―――
とりわけ、死角である背後から迫る攻撃をするまで。
光速を誇る三連撃を前に、いかな
この波状攻撃を無傷で逃れられるはずも無い。
三方向から同時に迫る光の旋風を前に、逃れる術など
存在しない……!
【紗雪】
「―――
【紅葉】
「え……?」
―――にもかかわらず。
二度目の必殺を確信した紅葉の攻撃は、されど前回と
同様に、視界に捉えられない神速の動きにより、無に
帰されてしまう。
【紗雪】
「……無駄だと、告げたはず。そんな直線的な攻撃では
絶対に私は捉えられない」
それは、彼女の
戦闘経験と、たゆまぬ努力により身につけた
強力な武器として扱う兵器としての性能と、神の名を冠す
しかし
無く、紗雪が独自に編み出した、魔力を用いた戦闘技術
だった。
一秒にも満たない瞬間に限定し、己の魔力を爆発的に高め
自らの身体へと取り込み、固定する事で自分自身を弾丸に
するという、一時的な身体能力の強化。
その膨大な魔力の爆発は、時空間すらも歪めるほどの
絶大な戦闘能力を生み出す。
ゆえに彼女の足に瞬間的に集められる魔力は、音速を超え
光速をも凌駕する―――!