【紗雪】
「私の行動理念には、
ただ、大切なものを護るために―――」
それはただ純粋に、真実を告げるように。
【紗雪】
「私は、どんな相手だろうと
―――私の
紗雪の意思に呼応するかのように、彼女の持つ二挺の銃は
その
揺るぎない決意と共に紡がれた
討つべく、その旋風にて大気を震わせていた。
【紅葉】
「な―――」
溢れるほどの、膨大な魔力の奔流―――
そのあまりに美しい彩りを放つ輝きに、思わず紅葉は
一瞬、我を忘れてしまう。
紗雪の二挺拳銃はその特性上、破壊力よりも連射性能と
魔力変換効率に重点を置いている。
ゆえに長期戦闘に有利であるというアドバンテージを
持つと同時に、決め手に欠けるという弱点も存在する。
―――ならば、ほぼ魔力を必要としない弾丸に、渾身の
紗雪は
強引とも取れる我流の魔術行使によって、その空想を具現
させる―――!
【紗雪】
「
彼女の
しかしその渾身の一撃は、紅葉の立つ場所とは全く別の
方向へと放たれていた。
【紅葉】
「は――――――!」
いかな強力な
……紗雪の瞳が未だ視力を回復していない事を思い出して
紅葉はその見当違いの場所へ放たれた一撃を
だが、しかし。
【紗雪】
「善も悪もなく。ただ、私の護るべき人のために―――
―――そんな人間の“常識”など、
通用しない―――!!
【紗雪】
「――――――
【紅葉】
「な―――っ!?」
刹那―――
音速の弾丸は軌道を変え、聖邪の十字架を描きながら
光速と成り、彼女の武器へ向けて解き放たれる!!