俺は勝負の場に立つまでもなく、 切り札(カード)の無い非参加者
として、ただ無様に敗北(死)を晒す―――

【紗雪】
「――――――『魔術兵装(ゲート・オープン)』――――――」

ゆえに……そんな俺が生き残る唯一の可能性を、願う。

俺が生き延びる、最後の 可能性(しゅだん)……

【紗雪】
「―――里村、紅葉―――」

【紗雪】
「……悪いけど、あなたのＺｅｉｔ(ターン)は、ここで打ち止め」

【紗雪】
「これ以上、兄さんを傷つける事は……私が許さない」

【紅葉】
「アンタは―――……！！」

そう―――

【紗雪】
「兄さんは私が護(まも)る。もしもあなたが兄さんに害為すと
　いうのなら……私の全身全霊を以(もっ)て、止めてみせる」

現実では起こり得るはずのない、救世主の登場を。

【紗雪】
「その人は、絶対に誰にも殺させない―――」

意識を失う直前、俺が見たのは―――

【紗雪】
「兄さんは……私の、いちばん大切な人だから―――！」

悠然と二挺の拳銃を携える、 紗雪(いもうと)の姿だった。