【紅葉】
「―――ちぃ、やるわね! でも、次はもうないから」

残りの『superbia(ルシファー)』と『acedia(ベルフェゴール)』を手を
休めずに放ち、トドメの『極光の断罪者(ジャッジメント)』で相手は塵と
化す。

目の前に開けた絶対勝利の活路に沿って、紅葉は悠々と
散歩を楽しめばよいのだ。

【紗雪】
「『福音の(ヴァイス)――――――』」

【紅葉】
「無駄無駄ぁ! 結局、この前と同じパターン。あんたは
 この私には、絶対に敵わないっ!」

【紅葉】
「どんなに力をつけようが、所詮デキが違うのよっ!」

死の光が四方から一斉に、無力な少女へと襲いかかる。

これで全てのカタがついた。

――――――そう紅葉は確信した。

【紅葉】
「なっ、はあぁッ!?」

【紗雪】
「『――――――魔弾(シュヴァルツ)』ッ!!!!」

――――――だが。

まるでそれを嘲笑うかのように、神速にて放たれた紗雪の
一撃は、『七つの大罪(グリモワール)』を狙い、物理法則を無視した軌道
にて蒼き闇を切り裂く。

【紅葉】
「駄目っ!」

瞬時の判断で『七つの大罪(グリモワール)』を庇おうとしたが遅かった。

絶望の音と共に『ira(サタン)』と『luxuria(アスモデウス)』が砕け
散る―――!