【紗雪】
「んっ……兄さん……」
部屋に着くなり、紗雪は待ちきれないと言わんばかりに
もたれるように俺の胸に潜り込み、口づけを求めてきた。
【紗雪】
「ちゅっ……ちゅ、ん……兄さん……ちゅっ……んっ」
【零二】
「っ……落ち着けよ、紗雪。キスなら、さっきたくさん
しただろ?」
【紗雪】
「……嬉しいことは、何度しても嬉しい」
真顔でそう言って、紗雪が再び俺の唇に自分のそれを
押し付けてくる。
【紗雪】
「ん……ちゅく……ちゅっ、ちゅぷ……ちゅ……ん……」
俺の口内をすべて舐めつくすかのような、濃厚なキス。
今まで我慢してきた反動なのか、俺の妹はずいぶんと
大胆なキス魔に成長していたようだ。
【紗雪】
「ちゅるっ……ぷぁ……にい、ふぁん……ちゅく……
んっ……兄、さぁん……ちゅ、ちゅぱっ……ちゅっ」
【零二】
「ん……く……さ、紗雪」
俺は紗雪の肩に手をかけ、一旦唇を離させる。
【紗雪】
「ぁ……」
すると紗雪は心の底から残念そうな顔をして、しぶしぶ
その身体を離した。
【紗雪】
「……もっと兄さんと、くっついていたいのに」
【零二】
「悪いな……これ以上されると、兄さんは我慢できない
みたいだ」
一つ咳払いをして、股間に目を向けさせる。
そこには紗雪の口付けに反応して、興奮してしまった
証拠のテントが張っていた。
【紗雪】
「……兄さんの変態」
プイと横を向いてしまった紗雪だが、その頬にキスを
すると照れたようにうつむいて、再び俺の胸に身体を
倒してきた。
紗雪が緊張で心臓の鼓動を早めているのを肌で感じながら
俺は優しく彼女をベッドへと座らせ、後ろからそっとその
身体を抱きしめるように両腕で包んだ。
【紗雪】
「ん……んん……ふぁっ……」
上着をはだけさせて胸に触れると、紗雪は敏感に反応して
ピクンと身体を跳ねさせた。
【零二】
「悪い、驚いたか?」
【紗雪】
「んんっ……そ、そんなことない……兄さんの指、とても
温かくて力強い……だから、すごく安心する」
【紗雪】
「……でも、ちょっぴりエッチ」
切なさと心地よさがない交ぜになったようなため息をつき
紗雪が呟いた。
【零二】
「そうか……紗雪は、エッチなのは嫌いか?」
【紗雪】
「んんっ……そ、そういうわけじゃ……」
【零二】
「そりゃよかった。これからもっとエッチになるから
安心してくれ」
【紗雪】
「で、でも別に好きってわけじゃない……わ、私はただ
兄さんと触れ合えるのが、嬉しいだけだよ……?」
【零二】
「ああ。それじゃあ、もっともっと触れ合おう、紗雪」
【紗雪】
「あ……」
ブラジャーを外すと、紗雪の形のいい胸が露わになった。
夜のひんやりとした外気に晒された乳首が、ピクリと
震える。
【零二】
「寒いか? いま、温めてやるから……」
【紗雪】
「ふぁ……! に、兄さ……」
初めて異性に胸を触られ、紗雪が戸惑ったように声を
上げる。
俺は驚かせないようにゆっくりと指先を動かし、その
柔らかさと紗雪の体温を堪能する。
【紗雪】
「……っ、ふぅっ……ん……っ、っ、ふ……ぅ……」
紗雪は恥ずかしげに口をつぐんではいるものの、鼻から
甘い声が漏れてしまっている。
それが俺の興奮を掻き立てるスパイスとなり、胸を触る
指に思わず力が入ってしまう。
【紗雪】
「んんっ! 兄さ……もっと、ゆっくり……」
【零二】
「ん、悪い……」
腕の中で身をよじる紗雪に素直に謝り、俺は壊れ物を
扱うように、デリケートな胸を優しく揉み解していく。
【紗雪】
「ふ……んん……ぁふ……ぅ、ん……」
紗雪の身体から徐々に緊張が抜けていき、寄りかかる
彼女の体重が増してきた。
そろそろ次のステップに移ってもいいだろうと、俺は
指を動かしたまま紗雪の耳元で囁いた。
【零二】
「なぁ紗雪。下、触ってもいいか?」
【紗雪】
「…………!」
出し抜けの言葉に紗雪は一瞬、驚いた猫のようにビクリと
身体を強張らせた。
それは恥ずかしさだけではなく、明らかに慣れていない
出来事への抵抗感を抱いている様子を孕んでいた。
【零二】
「そんなに固くなるなよ……もしかしてお前、あんまり
オナニーとかはしないのか?」
【紗雪】
「ば、ばかばかばかっ! 兄さんの変態!」
胸の中でささやかな抵抗を始める紗雪を落ち着かせるため
抱きしめる腕に少し力をこめる。
その反応だけで紗雪にこういった経験は無く、予想以上に
緊張しているのだと悟る。
男性経験は愚か、一人で自身を慰めるような行為さえも
あまり経験が無いのだろう。
【紗雪】
「…………ぁぅぅ……」
【零二】
「怖がらなくて良い。俺に任せてくれれば大丈夫だ。
だから紗雪はリラックスして素直に感じるままに
気持ち良くなってくれ」
俺はそう告げながら、安心させるように紗雪の腹の近くを
ゆっくりとなで回す。
その手の感触が心地よかったのか、硬直した紗雪の身体
から再び力が抜けていく。
【紗雪】
「…………」
そして、その身体が完全に弛緩しきったころ……紗雪が
やや自信なさげに、無言のままうなずいた。
そんな健気な姿が可愛くて、俺は不安を取り除きながら
緊張を忘れるくらいに気持ち良くさせてやろうと密かに
決意を固める。
【零二】
「……ありがとな」
俺は紗雪の髪にキスをすると、スパッツの上から指を
這わせ、なぞるようにゆっくりと上下に動かした。
【紗雪】
「んんぅっ! ふ……うっ、ん、ふっ……」
紗雪は大きく身体を反応させ、俺の胸にグイグイと背中を
押し付けてくる。
指先に感じるふっくらとした柔肉の感触に、俺ははやる
気持ちを抑えて緊張を解すようにゆっくりと撫で上げる。
【紗雪】
「んくっ!? んっ、ん、ふ……ふぅ……ぅんんっ!」
俺の愛撫に、紗雪は肩や腰をピクピクと震わせて応える。
【紗雪】
「ふぅっ……ぅ、ぁぅ……んん……に、にいさ……んんっ
……そこ、触られると……く、ぅん……っ!」
むず痒そうに太腿を擦り合わせながら、紗雪が今にも
消え入りそうな声で呟いた。
柔肉から伝わるジンワリとした温かみが増していき、俺の
指先がわずかに湿り気を感じる。
【零二】
「すごいな、紗雪……もう濡れてきた」
【紗雪】
「っ……に、兄さんが、そこばっかりいじるから……」
俺の言葉に、紗雪がかすかな抗議の声を絞り出す。
妹が自分の指で感じているというシチュエーションに
俺は背徳感にも似た特殊な興奮を覚えていた。
【零二】
「そうか、悪かった……こっちもかまってやらないとな」
【紗雪】
「んんっ……!? そ、そういういみじゃ……はぅっ!」
胸を覆っていた指を乳房に沈めると、不意の刺激に驚いた
紗雪の腰が砕けた。
その拍子に身体が沈み込み、秘所を弄っていた俺の指に
思いきり体重をかけることになってしまう。
様子見に触れるくらいの優しい愛撫をしていたのだが
俺はそのまま、割れ目に沿って少し力を入れて上下に
擦ってやる。
【紗雪】
「うぁっ……んん……はぁ、はぁ……ん……ふぁぁ……」
今までよりも数段強い刺激に、紗雪はかすかに口を開けて
熱い吐息を逃がすように小さく喘ぐ。
【紗雪】
「はぁ……ぁ、ふぁ……はぁ、ん……はぁ……」
【零二】
「気持ちいいか……紗雪?」
【紗雪】
「ぅん……ふぁ……うん……っ!」
コクコクと首を縦に振り、紗雪が応えた。
恐らく自慰の時に踏み込んでいなかった領域の刺激を受け
初めての本物の"快感"に、驚いているのだろう。
【零二】
「……良いみたいだから、続けるぞ。痛かったりしたら
すぐ言えよな」
【紗雪】
「うん……兄さんに、任せる、から……お願い」
ようやく緊張も僅かに解れ、恐らく未知の快感への期待と
好奇心の方が徐々に強まって来たのか、先程よりも大胆に
素直に頷いてみせる。
俺はそんな妹の姿を見て嬉しくなり、さらに愛撫の方を
続けてやる。