【龍一】
「なら、僕は――――――」

――――――だが、それでも。

それでも龍一は、その拳を収めるわけにはいかない。

その決断の先には、無力な人間達の尊い犠牲が在る。

自らが行ってきた、全ての“正義”に背く行為が在る。

だから――――――!

【龍一】
「僕も、僕が信じる正義のために―――僕の全力を以て
 君を打倒する……!」

【龍一】
「うおぉおおぉおおぉぉぉおぉぉぉーーーーーっ!!」

龍一は雄叫びと共に発生した雷を纏い、触れる者全てを
雷殺せんばかりの魔術粒子を撒き散らす。

―――――――――『疾風迅雷』(タービュランス)―――――――――

それは、自らを雷と化して光速攻撃を可能とする、龍一の
『召喚せし者』(マホウツカイ)としての本来の戦闘態勢(バトルスタイル)だった。

そして―――その兵器の真価は、“神話魔術”にこそ
存在する……!

【龍一】
「これで終わりだ――――――!」

【龍一】
「はあああああああああああぁぁぁぁっ!!!!」

【龍一】
「――――――『総てを射抜く雷光』(トールハンマー)――――――ッ!」

―――――― 『総てを射抜く雷光』(トールハンマー)――――――

それは、かつて神話時代、ロキの親友だったトールが
最も得意としていた、神話魔術。

メギンギョルズ (バンダナ)による魔力倍加(ブースト)を経て、ミョルニル(グローブ)に貯蔵
された秘めたる『魔術』(ルーン)を、『雷光を打ち砕くもの』(イルアン・グライベル)へと
注ぎ込む事で生みだされし、雷の神槍。

神大なる雷の 『魔術』(ルーン)を纏いし籠手を『疾風迅雷』(タービュランス)による
光速の拳によって打ちだされし閃光は、まさに究極。

インパクトの瞬間、パイルバンカーのように打ちだされし
雷の神槍は、効果範囲こそ狭いものの、その圧倒的破壊力
たるや『穢れなき桜光の聖剣』(レーヴァテイン)にすら匹敵する……!