そこには、サクラの膨大な魔術障壁を貫き俺達の敗北
すらも屠り去るほどの、圧倒的な死の包囲網……
それはさながら、“最凶”の顕現―――!
されど―――迎え撃つは、“最強”の閃光。
彼女の手に集う
無限の魔力を秘めた、究極の聖剣だった。
【サクラ】
「――――
それは音速を超え、光速をも超える、神速の桜光だった。
神々をも貫くその清浄なる光は、ただ眼前に存在する
“世界”そのものを消し去る。
神話時代、かつて九つあったとされる世界―――真実
彼女の放った一撃は、その世界一つを滅ぼすに値する
絶対なる威力を秘めていた。
――――――
それはかつて、“災厄の杖”と呼ばれ恐れられていた
究極の光炎魔導砲。
その光は太陽よりも眩しく輝き、一薙ぎで世界をまるごと
焼き払う究極の剣という伝説を具現した、サクラにとって
最強にして究極の一手だった。
千年の穢れを受けてなお眩い煌めきを放つ“世界”をも
切り裂く閃光は、まさに『穢れなき桜光の聖剣』の名に
相応しい。
語られぬ歴史の真実を示すかのように、幾年も続く悲しき
戦争を終結させるための、“平和”へと導く聖なる剣。
そんな彼女の決意を束ねたように煌めき輝く桜光の閃刃は
敗北の宿命のみを与えられた世界で、彼女は“死”さえも
切り裂いたのだ。